「オランダ」と聞いてまず思い浮かぶのがチューリップ。その昔トルコから輸入され、珍重されたその花は今ではオランダの広々とした大地で計画的に生産され、世界中のチューリップ愛好家の元に届けられています。花だけでなく球根もオランダの主な輸出品として球根栽培農家の手により大々的に作られています。キューケンホフ公園の周囲にはこういった球根用のチューリップ畑が広がっています。私は世界中にその名を知られたキューケンホフ公園の開催時期に合わせて何度かこのチューリップ畑を訪れました。アムステルダムから西南に約30q、キューケンホフは3月下旬から5月下旬までの期間中世界中から何十万という人々が訪れます。開園50周年を記念して昨年からは春の2ヶ月間だけでなく、夏の間も百合やダリアなど華やかな夏の花の咲き乱れる時期に解放され、こちらも捨てがたい魅力です。 |
4月初め、キューケンホフ公園の周辺はにわかに色づき、一直線に伸びる単色の帯が広がります。
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この「花のストライプ」を完璧な状態で目撃できる人はラッキーな人。なぜなら、一斉に開花し一斉に刈り取られてしまうから、その見頃の時期はわずかな期間でしかないのです。 | ||
それも、花が商品ではなく、商品価値は地下に眠っています。
球根を太らせるために花は頃合いを見計らって無惨にも刈り取られてしまうのです。ここはヒヤシンス畑なので、この花も同じように刈り取られるのか、定かではありませんが、球根用の畑であることは間違いないでしょう。 |
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前々から話には聞いていた刈り取り作業、その様子を何とか見届けたいと思い、何度も足を運びました。
その甲斐あって、5月5日、作業をしている人の姿に出会ったのでした。 ここはローズ色のチューリップ畑。 |
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これがその機械。うまい具合にチューリップの花びらだけがきれいに茎から刈り取られていきます。
私はまた花は花で売れるように茎の下の方から切り取るのかと想像していました。 |
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こんな風に花びらだけうまく取り除くのですね。
機械で取りきれなかった花びらは人手で丹念に摘み取っていました。 |