「ジュネーブの休日」に引き続き、決定的瞬間をカメラに収めようと張り切って早くから場所取りをしたのに、なんとことでしょうか。遠い遠い、両陛下は小さな点にしか見えないほどの遠くにいらっしゃいました。考えてみれば当然なのです。戦没者慰霊碑に献花、という至って厳粛な場だったのですから。
中央駅からダム広場まで一直線に伸びるダムラック通りからパレスまで両陛下とベアトリクス女王を乗せたリムジンを先導してきたかっこいい人達ーde Koninklijk Mareshaussee。王立保安隊(オランダ陸軍に直属し、王家の警備、国家の警備などを行う。)です。先導は、この前に警察のよく見かけるオートバイが数台。そしてこのロイヤル警備隊が10台ほど。そしてその後にボルボS80が何台も何台も。そうしてやっと黒塗りのリムジンが到着。ちらっと美智子様の白い服が見えましたが、あっという間にパレスの中へ。 | |
ロイヤル軍楽隊とでも呼ぶのでしょうか。普段、オランダの吹奏楽は余り聴き映えしないなあと思っていましたが、このときばかりは素晴らしかった。パレスの脇で長い時間両陛下のご到着を待ち、今度は広場の反対側、慰霊碑の脇まで太鼓の音に合わせて行進。 両陛下が花輪を慰霊碑に捧げ、深く頭を垂れるお姿は遠くからでも感動的でした。新聞には「一分間の黙祷」とありましたが、私にはもっともっと長い時間のように感じ、その長さが両陛下の心からの哀悼の意を表しているように思えました。静かに演奏された吹奏楽、曲名は分かりませんが、私たちの生まれる以前に起きた数々の悲劇とその後重石を引きずるように今もなお人々の心に残る哀しみに深く心を寄せられる両陛下のお心が伝わってくるようでした。 |
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この人垣、いえ両陛下がお通りになる花道を固める警備、オランダ軍の精鋭がそれぞれ所属部隊を表す(多分?)色違いのベレー帽をかぶり、部隊毎に等間隔でガードを固めています。 これじゃ、何も見えない。かなり離れた地点に柵が置かれ、それだけでも残念だったのに、この厳重さは何でしょう! |